〈か行〉 ジュエリー用語/技法集 一覧



カット(宝石のカット)


宝石のカッティングスタイルは、大きく分けて『ファセット・カット』と『カボション・カット』の2種類があります。

カット名は宝石の外形で『ラウンド』『オーバル』と付けられます。

『ファセット・カット』は、何個もの小さな平らな面(ファセット)が何連なっているカットです。

ファセットカットは、反射と屈折を大事にする透明石が用いられます。

■ファセットカット

『ラウンド・ブリリアント・カット』は、ダイアモンドなどによく使われるカットです。

『オーバル・ブリリアント・カット』は、楕円形のカットです。

『マーキス・ブリリアント・カット』は、ラグビーボールのような先が尖ったカットです。

『ペア・シェイプ・ブリリアント・カット』は、洋ナシ形で別名ドロップ・カット(雫形)とも呼ばれています。

『ハート・シェイプ・ブリリアント・カット』は、ハートの形のカットです。

『プリンセス・カット』は、正方形のカットです。

『エメラルドカット』は、エメラルドによく使われるカットです。エメラルドは欠けや割れの性質が高いため、コーナーがカットされ、この名前が付きました。

テーブル面が広いので、宝石のクラリティ(透明度)を引き立たせるカッティング方法ともいえます。

『オーバル・ミックス・カット』は、楕円形のカットで、オーバル・ブリリアント・カットより細かくカットされています。

『バケット・カット』長方形のかっとになります。

『テーパー・バケット・カット』は、細長い台形の形になります。


■『カボション・カット』は、つるりとした曲面をもった半円形のカットです。

カボションのカボはラテン語のカボ(頭)からきています。

頭のように丸くつるんとしたカットと言う意味です。

カボションカットは、半透明石や不透明石に用いられています。

石は反射や屈折などの内側からの輝きを求めることは難しく、表面からのつやと色と形の美しさを見せる為です。

カボションカットは、石の種類、品質により山の高さを低くしたり高くしたりします。

『ハイ・カボション』はドームを高くしたカットです。

『シングル・カボション』は、ドームが少し高いカットです。

『ロー・カボション』は、ドームを低くしたカットです。

『ダブル・カボション』は、石の底が膨らんだカットです。

『ホロー・カボション』は、底部から内側に向かって掘ったカットデザインです。




キャッチ


長いピンの先に飾りが付いたピンブローチのピン先を留める、留め具をキャッチと言います。

また、ピアスの留め具もキャッチと言います。

男性が付けるネクタイに付ける「タイ・タック」の裏で留める金具をキャッチと言います。

キャッチは、受け止める留め具の事です。




カリブルカット(Calibre cut) 


カリブルカット(カリブレカット)は20世紀に入ってから登場する石留め(セッティング)の技術です。

アールデコ期のジュエリーにセットされたジュエリーにみられる技法です。

カリブレカットは石を止めるのに、爪止めではなく、石の両側の縁をわずかに倒して、レールのように留める技法です。

アールデコ期に同じ色同じ形の石を連続して留める時に使われていました。

カリブレカットにすることで、石と石の間に爪が見えず、石を連続してラインを作る時にすっきりと見えるのが特徴です。

ネックレスやブローチで、カリブレカットのジュエリーが見られます。




キャッツアイ


キャッツアイというのは正しくは猫の目のような光学効果のことで、ダイアモンド以外の殆どの色石にこの効果が現れます。

筋が並んだ宝石の底面を、平行になるようにカボション・カットすると宝石の表面に猫の目のような明るい光の筋が現れますが、一般的にキャッツアイと呼ばれるものは、このクリソベリルキャッツアイを指します。

キャッツアイ・シリマナイト、キャッツアイ・アパタイト等々、猫目石効果を現わす宝石名はキャッツアイと名付けて呼ばれます。




コインシルバー(coin silver)


純銀に銅を10%混ぜた硬めのシルバー合金が、シルバー900です。

欧米各国(イギリスを除く)では、かつて銀貨にこのシルバー合金が多く使われていたので、
コインシルバーとも呼ばれています。




コスチュームジュエリー(costume jewelry)


コスチュームジュエリーは、「本物以上に最高のジュエリー」として美しく見えるよう、
計算し作られています。

鉛を含んだ屈折率の高いガラスをダイヤモンドとして使われていたり、天然宝石に色や外観を似せて作った、天然宝石の代用素材が多く使われています。

シャネル、ディオール、スキャパレリといえば、オートクチュールの全盛期に活躍したクチュリエたちは、コスチュームジュエリーの先駆けともなりました。

第一次世界大戦後、それまでの数年間は窮乏(きゅうぼう)生活を耐えた人々が贅沢なものや娯楽への関心が高くなったことと、夫や恋人が戦死し働かざるを得なくなり、女性の社会参加ともつながりました。

その為コスチュームジュエリーが、受け入れられ人気となりました。

ミリアムハスケルは、コーラル、シェル、ウッドなど自然素材を取り入れ、フェイクパールも魚の鱗やセルロースなどから作られ絶妙な色を出しています。

ジョセフ・オブ・ハリウッドのブランドを作ったユージンジョセフも、ハリウッド作品で映えるよう、工夫を重ねた作品を作っています。

トリファリは、「ラインストーンの王者」と呼ばれるほど、ブロードウェイのミュージカルにも作品を提供し、またアイゼンハワー大統領夫人やイギリスのエリザベス女王即位記念のラインは人気を博しました。




ゴールド(Gold)


100%の金のことを「ヤキ」ともいいます。

金を精錬するときに塩をつけて焼いたので「ヤキ」と言う言葉が生まれたと言われています。

純金はやわらかすぎるので硬くするために、他の金属の銀や銅を混ぜてジュエリーとして
使われています。

もうひとつ、金属の性質に加工硬化(かこうこうか)があります。

金属をたたいたり曲げたりすることを何回も繰り返すうち硬くなります。

元に戻すには、また一定の温度以上に熱するとやわらかくなります。

ほとんどのジュエリーに使われている金は、硬くするため銅や純銀と混ぜてジュエリーが作られています。

100%の金を使うと、柔らかくキズつきやすいためです。

この残りの金属を割金(わりがね)といい、たいてい銀と銅が半分ずつの重量比で入っています。

『24K』は純金100%です。

『18K』は純金75%と純銀12.5%と純銅12.5%混ぜたものです。

『14K』は純金58.3%と41.7%純銀と純銅を混ぜたものです。

『12K』は純金50%と50%純銀と純銅を混ぜたものです。

『9K』は純金37.5%と62.5%純銀と純銅を混ぜたものです。

割金で使われている、銀と銅の割合を変えると微妙に金の色が変化します。

イエローゴールド、レッドゴールド、ピンクゴールド、グリーンゴールド、ホワイトゴールドなどに変わります。

古代のジュエリーに24K~22Kが多いのは、金にキズが付くという意識がうすかったのと、石を爪留めしていなかったことも関係しています。

18KのKは「Karat(カラット)」の頭文字ですが、宝石の重量単位のカラットCarat又はkaratと同じスペルです。

でも、単位の性質が違うので、「18カラット」とは呼ばず「18きん」又は「18ケー」と言います。




ゴールドフィルド(GOLD FILLED)


ゴールドフィルドは、金の層を高熱と圧力で素材に圧着させたものです。

金の層の重量が素材を含む総重量の1/20以上の場合、 ゴールドフィルド(金張り)と呼ばれています。

ゴールドプレートよりも厚い層で作られ耐久性に優れています。

そして、ゴールドフィルドはゴールド製品12Kや14Kや18Kと同じ色味で、高級感があり高級ジュエリーなどで使われています。

刻印は
12金ゴールドフィルド⇒12KGF
14金ゴールドフィルド⇒14KGF
18金ゴールドフィルド⇒18KGF