〈ま行〉 ジュエリー用語/技法集 一覧



マーカサイト(Marcasite)


マーカサイト(マルカジット)は、18世紀半ばからヨーロッパで用いられた、ダイヤモンドの代用品の
ことです。


もともとマーカサイトは白鉄鉱の名前で、実際はローズカットされた(16世紀初期から19世紀にか
けて人気を博したカッティングスタイルです。)


黄鉄鉱が、研磨されて台座に使われました。


マーカサイトは、ヴィクトリア時代(ヴィクトリア女王がイギリスを統治していた1837年から1901年
の期間を指す。)


に大流行して、その後のアールデコ時代に、そのシャープな輝きが改めて注目され、高級ジュエリーの
仲間入りを果たしました。


また、マルカジットはアンティークジュエリーだけでなく、アンティークバッグの留め金や当時の小物
の装飾などにも見ることができます。




マーキスカット


マーキスカットは、石のデザインの事です。

両サイドが尖った、ラグビーボールのような形の石です。

テーブル面も大きく、華やかですね。

マーキスカットされた石は、爪留めされていることが多いです。








マザーオブパール(MOP)


マザーオブパールは真珠をつくる貝ですね。


主に白蝶貝で作られることが多いのですが、黒蝶貝、あこや貝なども使われています。


マザーオブパールは子宝や繁栄を象徴し、子育てのお守りとして古くから親しまれています。


シェルは温かで柔らかな雰囲気と、光沢のある色合いがとても美しいです。




ミルクガラス


中国の磁器にあこがれてヨーロッパで作られるようになった乳白色のガラスになります。 滑らかな質感をもっています。




ミルフィオリ(Millefiori)


イタリア語で「線の花」という意味をもつミルフィオリは、ベネチアのムラーノ島のみに伝わる
繊細なガラスの伝統工芸です。

ミルフィオリは、イタリアのベネチアンガラスを使って金太郎飴のようにどこをカットしても
同じ柄が出てくるガラスの棒を使い作品にしたものをミルフィオリといいます。

鉛を含まないソーダー石灰を使用してつくられています。

鉱物を混ぜることで、様々な色を作り出すことができます。

溶かしたガラスの棒を組み合わせて模様を作り、さらに組み合わせて引っ張り棒にする作業を繰り返します。

模様も複雑になり長年の経験を積み重ねた職人技が必要です。

ガラスの棒の大きさや模様並べ方で、一つとして同じ物がないのが魅力です。

ミルフィオリは、花がいくつも咲き誇っているかのように見え、華やかでかわいらしいです。




モザイク(Mosaic)


モザイクには、「ローマンモザイク」「フローレンスモザイク」があります。

「ローマンモザイク」は石・ガラス・タイル・木・金属・紙などどんな素材のものも
小さく分割して絵柄や模様を作ります。

大理石を使った大理石モザイクや色ガラスを使ったガラスモザイクも「ローマンモザイク」
になります。

ルネッサンス期にはジュエリーにも使われるようになりました。

とても細かい色ガラスの棒を縦に隙間なく、はめ込む技法でミクロモザイクともいわれています。

色ガラスを絵の具に見立てて、それを枠内に置くように配置し仕上げる技法です。

フローレンスモザイクは、16世紀後半にイタリアのフィレンツェで発達した石のモザイク装飾技法です。

「フローレンス」は、フィレンツェの英語名になります。

フローレンスモザイクは硬い石の意味で、イタリアの古い言葉で「ピエトラドュラ(Pietra Dura)」
ともいいます。

特徴は黒い大理石の台座にスライスした半貴石のオニキスやラピスラズリ、ターコイズなどを
はめ込む石の象嵌になります。

隙間なくはめ込み、凹凸のない表面はまるで絵画のようです。