【さ】 アンティーク雑貨事典 一覧
裁縫道具(Sewing Tool)
アンティークの裁縫道具は、美しく上品なものが多いのは、手芸は中流階級以上の女性の必須科目だったからです。
女王様や王女様でも自分で針を持ち、身の回りのものを作ったので、作品や小道具の針ケースもプチポワンでできていたり、立派なものが多いんですね。
イギリス製のピンクッションは華やかなデザインで、中央にエンブレムやメッセージなどが入ったものがあります。
これは実用ではなく、戦地へ旅立つ男性が恋人に贈るために作ったものです。
デザインもハート型のものが多かったり、自分が所属する軍隊のマークが入っているものが一般的でした。とても心のこもった素敵な贈り物ですね❤
磁器
磁器と陶器について。
主原料はカオリン(磁土)と陶石を砕いた石粉を主体にした磁土を成形し、1000℃~1400℃の高温で焼いたものです。
英語ではポーセリン(Porcelain)と表記されます。
吸水性がなく、素地が純白で透明感があります。硬くて緻密で、たたくとチーンと高い金属的な音がします。
天然の磁土は中国や日本など東洋でしか算出できなかったため、ヨーロッパではなかなか作ることができなかったのですが、錬金術師ベッドガーは1708年ヨーロッパで最初の磁器を完成させました。
これがドイツのマイセン磁器の始まりです。
その後オーストリアで1721年に、デンマークのコペンハーゲンでは1772年に白磁が完成し、広くヨーロッパに広がりました。
陶器は、粘土(陶土)を材料とし磁器よりも低い温度で焼いたものです。
陶磁器とは、陶器と磁器の総称になります。
刺繍(Embroidery)
母から子へと受け継がれる刺繍やキルト作りはヨーロッパの女性たちにとって、毎日の大切な作業でした。
何日も何か月も時間をかけて一つ一つの作品を作り上げて、デザインや技術は母から娘へと何世代も渡って受け継がれたものです。
中には、母娘二人で刺繍をした作品もあります。目のバランスも違っていて温かみが感じられます。
また刺繍タオルには、各家庭のイニシャルや名前が刺繍されていたり、ゲスト用には「我が家へようこそ」の意味合いもあったそうです。
照明(Lighting)
電灯用ランプがヨーロッパで普及したのは、19世紀の終わりになってからになります。
日本でみられるのは、美しく生産量の多かったイギリス製とフランス製になります。
時代は19世紀後半から20世紀にかけてのもになります。
数がおおいのはイギリス製です。
イギリスのものは、時代によるスタイルの差がほとんどなく、シェードはサンドブラストなど装飾が施されているのが特徴で、基本的に作家名はございません。
サンドブラストは、ガラスの表面に圧搾空気で砂を吹き付けて彫刻を施す技法で、19世紀にアメリカで開発されました。
フランスは作家名が入っていて、アールヌーボーとアールデコの二つのスタイルが見られます。
アンティークガラスシェードは、光をともした時と、ともさない時の表情が楽しめますね。
電球もワット数の低い抑えめな電球の方が、幻想的で魅力的な光が楽しめますね。
シェードはガラスと布製がありますが、布はもともとの数が少なかったのと、劣化や汚れが激しく、現在見られるのは、ガラスがメインです。
照明でペンダントと言われるものは、コードやチェーンで転移から吊り下げる照明機器です。
ブラケットは、影や柱に直接取り付けるタイプの照明機器です。
ペンダントは、小ぶりでバラエティー豊かなシェードの形が魅力です。
昔のシェードはそれだけで十分美しく、インテリアのアクセントとして飾って楽しむことができます。
素材は圧倒的にガラスのものが多く残っており、時代の古いものは鉛の浮遊率が高いので、軽くたたくとキーンと澄んだ音がします。
色も形も様々ですが、貴重とされているのは今は生産されていないヴァセリンガラスです。
このヴァセリンガラスという名前は、イギリスやアメリカで多く作られた黄色いウランガラスがヴァセリン(軟膏の原料)のように見えることから使われています。
ウランガラスの着色剤として微量のウランガラスを混ぜて精製されたもので、主に緑や黄色で、他に水色やピンクなどがあります。
最大の特量は、真っ暗にして紫外線(ブラックライト)を当てると緑色の蛍光
をだします。
ミルクガラスは、不透明な白色のガラスで着色には骨灰や亜鉛などを使用しています。乳白ガラスは、少量のフッ素化合物が使われています。
●シュナイダー兄弟は、ともにドーム工房に勤務していた経歴を持つ2人兄弟です。
1913年に工房を設立し、多くのガラス作品を制作しました。
●ドーム兄弟は、1875年にフランスのナンシーに工房を設立した2人兄弟です。
アールヌーボー期の代表的ガラス工房です。
●ミューラー兄弟は、男9人女1人の10人全員で1895年に仏のリュネヴィーユ工房を開設しガラス生産に参加し1936年に閉鎖しました。
■ガラスシェードは、破損にさえ気を付ければ、水で洗ったり、柔らかな布で埃を払うだけでOKです。
ただし、ハンドペイントのものは、模様が施されているので、強くこすったり洗剤などによっては、色落ちすることもあるので、軽くこするなどで様子を見ながらお手入れをしてみてください。
自転車ナンバープレート(Bicycle number plate)
ベルギーの自転車用のナンバープレートになります。
年やナンバー、州の名前はエンボス加工されております。
マダムに『これは自転車用のナンバープレートで、州の名前や年によって形や色が違うんですよ。』と教えてくださいました。
独自のデザインや色など工夫している日本で言う、ご当地デザインナンバープレートみたいで可愛いですね♪
ストーンウェア(炻器せっき)
陶器と磁器の中間の性質を持つ焼き物で半磁器ともよばれています。
表面はザラッとしていますが、使っていくうちに、やがて光沢が出てきます。
1100℃以上の高温で焼きしめるので指でたたくと時期に近い高い音を出す。
日本の焼き物の多くは、ストーンウェアに分類されます。
日本では炻器(せっき)と表記されます。
陶器と同じく透明感がなく、光を通しませんが、ほとんどの水を通さないという特徴を持っています。
マイセン磁器の発明者、ベットガーが1708年に焼成に成功した硬質の赤褐色炻器。
ウエッジウッドのジャスパーウェアやブラックバサルトが有名です。
ジャグ(Jag)
ジャグは持ち手と注ぎ口が付いた、液体を入れる容器全体を言います。
液体の内容によって種類も異なります。
お水を入れる、ウォータージャグ、牛乳用のミルクジャグなど代表的です。
別のも物を入れるのもございます。
ジャポニズム
ジャポニズムは、19世紀後半から1920年頃までの半世紀に及ぶ期間、ヨーロッパで続いた日本趣味です。
流行にとどまらず、絵画、彫刻、版画、素描、工芸、建築、服飾、写真など広い分野で影響を与えました。
アルバート・ムーア氏の「真夏」の絵で団扇(うちわ)が取り入れられてたり、ホイッスラー氏の絵にも団扇が取り入れられています。
また、ホイッスラー氏がデザインした富豪レイランドの、ロンドン邸宅の「ピーコック・ルームのインテリア」の装飾には、着物を着た女性が描かれていた随所に日本美術の装飾が取り入れられています。
フランスでも、モネ、ルノワールの画家たちもこぞって日本のモチーフを絵に取り入れています。
またガラス工芸では、フランス北東部のナンシー派のエミール・ガレも日本美術・工芸から影響を受け、自然の観察をモットーに活躍しています。
印象派の絵画やアールヌーボーの潮流など、ヨーロッパの美術工芸に大きな影響を与えました。
ジョンソンブラザーズ(Johnson Brothers)
1883年に創業された陶器会社です。
イギリスの名門陶器メーカーのジョンソンブラザーズは、硬質陶器のテーブルウエアでよく知られていますが、1968年からウエッジウッドの傘下になりました。
シルバーウェアー(Silverware)
■歴史
紀元前のメソポタミアやエジプト文明のころには、すでに銀の装飾がつかわれており、その当時から銀はとても高価なものでした。
熱伝導率もよくて、熱いものは熱く、冷たいものは冷たく保てる銀は熱源が不十分だった、その時代に食器としても非常に重宝されました。
14世紀初めにはイギリスで銀製品の品質を示すホールマークが刻印されるようになッ足り、古くから発展してきました。
銀の生産地は何と言ってもイギリスで、大英帝国として栄えた時代には、豊富な資金力と産業革命のなかで、数多くの銀製品が作られました。
■銀について
ヨーロッパでは銀の含有率が80%以上のものを、シルバー、シルバープレート。92.5%のものをスターリングシルバーといいます。
80%の銀は生産量そのものが少なかった為、希少性という意味ではレアです。
シルバープレートでも昔のものはメッキに厚みがあり、それなりの質感を持ち、細工も素晴らしいものが多くあります。
■ブランドについて
シルバープレートの品質の良さでは、右に出る者がいないといわれるほど、エルキントン(ELKINGTON)社は、とても有名なメーカーです。
エルキントン氏はエレクトロプレート(電気メッキ)技術を取得し、大成功を収めました。
そしてエルキントン(ELKINGTON)社は、当時英国でも一流のとても有名なメーカーになり、エルキントン独自の技術でシルバープレートEPNSを作りました。
EPNSは1846年頃から刻印されており、Electroplated Nickel Silverの略となります。
イギリスのシェフィールドにあるマッピン&ウェッブ(Mappin&Webb)は、1774年に設立され英国王室御用達のカトラリーメーカーです。
タイタニック号の一等客室で使われていたメーカーの1つとしても有名ですね。
マッピン&ウェッブは、普通のシルバープレートより厚めに作らているので純銀製と同じくらいの耐用年数を誇っているそうです。
1963年にマッピン&ウェッブ、エルキントン、ウォーカー&ホール(Walker&Hall)、そしてシルバープレートの初代として有名なエルキントンと合併しています。
またスプーンはスポーツ競技の記念品としても贈られたため、ゴルフなど英国貴族に親しまれたスポーツをモチーフにデザインされた記念品も多くあります。
■ホールマーク見方
アンティークの銀食器の多くを占めるイギリスの場合は、純銀か否か、生産地、製造年代、時には作者まで明確にわかります。
通常4つが横並びに刻印されています。
左から、メーカーズマーク、アセイマーク、スタンダードマーク、デートレターの順です。メーカーズマークは、制作者を示すマークで、銀職人のイニシャルが入っています。
アセイマークは生産地のマーク。
スタンダードマークは、銀の純度を示すものです。
ヨーロッパでは80%以上のものを銀(シルバー)、銀メッキをシルバープレート、92.5%のものを純銀(スターリングシルバー)としています。
スターリングシルバーは、ライオンのマークです。
まれに958.4%を示す女神マークもあります。
マークがあれば純銀。
デートレターは製造年をアルファベット1字で表示したものです。
■エピソード
アセイマーク(生産地)はどこで検定を受けたかを示すもので、産地がわかります。
マークのほとんどはロンドン(豹の頭)、シェフィールド(王冠)、バーミングガム(錨)、エジンバラ(3つのお城)の4つで、9割を占めています。
それ以外のアセイマークが刻印されたシルバーウェアは、非常にレア。
中でも特にレアなのが、エクセターのアセイマーク。お城のマークなのですが、この検定所はヴィクトリア時代後期の1883年に閉鎖されており、もしこのマークの入った銀器があれば、確実に130年以上前のもの。
閉鎖以降は刻印されないわけですから数量的にも希少です。
◎シェフィールドはイングランド北西部にある工業都市で、ヨーロッパ屈指の銀の産地です。数多くの銀製品メーカーがあります。
■銀のお手入れ
銀器は手入れが難しいというイメージがありますが、実は毎日のように使っていれば特別な手入れの必要はなく、使用した後は、薄めた中性洗剤と柔らかなスポンジで普通に洗えばOKです。
ただ、たまにしか使わないものなどが黒ずんでしまった場合は、専用の銀磨き剤で磨けば元通りになります。表面の酸化が原因なので磨けばきれいになります。
シルバーカトラリー(Cutlery)
カットするという意味ですが、食事に使われるもので主にスプーン、ナイフ、フォークなどをさします。
銀器を集めるなら、カトラリーから集めるのがいいと言われています。
歴史的には、銅・真鍮・ピューターを経て、16世紀頃からイギリスを中心にシルバーウエアが使われるようになりました。
貴金属としての価値に加えて、柔らかく加工しやすいことから装飾豊かなものが多く作られ貴族階級では、爵位継承者に代々伝えられる家宝として大切にもたらされたものです。
注文制作が多かったので、時代の流れを取り入れつつ個性的なものが多いのも特徴で、ティースプーンもデザインの美しいものがあってコレクションしたくなります。
カトラリーの基本は6人用が普通。
カトラリーの基本は、ナイフ、フォーク、スプーン。これに加えティースプーンを加えたワンセットがあれば、ひと通りの食事に対応できます。
代々受け継がれて、大切にされてきたカトラリーは、ケースに入っていた豪華な6ピースセットが多く、贈り物としても格調高いものです。
19世紀以降に発達した、サービス用カトラリーは、一見何に使うかわからないような珍しいものがありコレクターに人気です。
またハンドルの素材にも注目して選べば、楽しいですね。全部シルバーのものだけでなく、貝、象牙、鹿の角など様々あります。
銀器カトラリーの魅力は何といっても装飾の素晴らしさです。
凝ったハンドルの形やスプーンのくぼみにまで施された装飾など、表面の美しさは多く見られますが、裏面は結構シンプルなものが多いです。裏面まで装飾されているのはレアです。
シルバースタンダードマーク(Standard Mark)
スタンダードマークは、スターリングシルバーの場合のみ刻印されます。
スタンダードマークは、1544年から横向きのライオン(Lion Passant:ライオン・パサント)が刻印されています。
1697~1719年に作られた製品は、銀の基準値が92.5%のスターリングシルバーから95.8%のブリタニアスタンダー ド(Britanni:ブリタニアと呼ばれる女性の顔)に引き上げられた為、女性の肖像が刻印されています。
シルバーアセイマーク(Assay Mark)
アセイマークは産地のマークのことです。
アセイマーク(生産地)はどこで検定を受けたかを示すもので、産地がわかります。
マークのほとんどはロンドンなら(豹の頭)、シェフィールドは(王冠)、バーミングガムは(錨:イカリ)、エジンバラ(3つのお城)の4つで、9割を占めています。
右写真のアセイマークは、王冠なのでシェフィールドということが分かります。
それ以外のアセイマークが刻印されたシルバーは、非常にレアです。
中でも特にレアなのが、エクセターのアセイマーク。
お城のマークなのですが、この検定所はヴィクトリア時代後期の1883年に閉鎖されており、もしこのマークの入っていたものなら、確実に130年以上前のものです。
閉鎖以降は刻印されないので数量的にも希少です。
アセイマークが省略されている場合はロンドンになります。
シェフィールドはイングランド北西部にある工業都市で、ヨーロッパ屈指の銀の産地です。
数多くの銀製品メーカーがあります。
シルバーデイト・レター(Date Letter)
デイト・レターは年号刻印です。
製品が検査を受けた年号を表すアルファベットのA、B、C・・・の順番になっており、一巡するとまたAから始まります。
しかし 枠の形や字体、大文字・小文字等により区別できるようになっています。
例えば、同じAでも字体によって作られた年が違うのでアルファベットを見て特定します。
右写真のデイト・レター(Date Letter)は、Wなので1939年ということが分かります。
シルバー:メーカーズ・マーク(Maker's Mark)
製造した職人や工房を識別するための刻印です。
同じ工房でも年代によってマークが違っていたり、イニシャルだけの場合もあります。
右写真は、【TB&S】のマークがあるので、トーマス・ブラッドベリー(Thomas Bradbury)社 ということが分かります。
古いものであればルーペを用いても、解読が困難なこともありますが、調べる楽しみの一つになります。
シルバー:デューティー・マーク(Duty Mark)
銀器に税金が課せられていた時期(1784年~1890年)に、納税済みの証として銀器に君主の顔が刻印されていました。
ジョージ三世の時代に起こった、アメリカ独立戦争の戦費調達のために課税したのが始まりです。
シルバーティー&コーヒーサービス(Tea&Coffee Servise)
アンティークの銀器の魅力にはまると、最終的にはティー&コーヒーサービス(ポット、シュガーボウル、ミルクジャグの3点)にたどり着くと言われています。
イギリスで特に発達した歴史的背景から、ティータイムを彩る必需品として、銀器のティータイム用は特に豊富にあります。
ティータイムの話題の中心は茶道具だったくらい。長く使える素晴らしいものを各家庭で揃え、代々受け継がれていたのです。
銀器のサービスセットが好まれたのは、見た目の美しさもありますが、熱伝導率の良さもポイントの一つ。
装飾性と機能性を兼ね備えた道具として重宝されました。
ティーストレーナーは、17世紀イギリスで登場したもので、片手ハンドル、両手ハンドルなど種類も様々です。
マッピン&ウエップ社は1774年創業の英国の老舗銀器メーカーです。英国王室御用達としても有名なブランドです。
真鍮(Brass)
ヨーロッパの真鍮製品と言えば、イギリス、イタリアと広く知られ、幸福をもたらす金属として好まれています。
セレモニーホースといって、お祝いの時に馬につける真鍮の馬具飾りや、真鍮ナンバーは、お家のナンバープレートだったり・・・。
真鍮のフックや、真鍮のワインオープナーなどなど。様々なものに真鍮は使われ、愛されています。
真鍮の味わい深い輝きと、長い時を超えて使い続けた真鍮は、雰囲気のある独特な輝きがありますね。
最近では、壁に飾ったりインテリアとして人気がありますね。
スケール(Scale)
スケールの種類は、一般家庭で使われたものはキッチン用、レター用。その他公共施設用だった体重計、野菜やお菓子などの量り売りするスケールなど様々です。
スケールメーカーとして有名なのは1760年創業のイギリスの老舗ソルター社です。
もともとバネの製品を作っていた会社で、小型竿秤器を製造販売したことからスケール製造の歴史が始まりました。
英国初の体重計、家庭用調理用のスケールを手掛け、計量器以外の分野にまで幅広く進出して成功しました。
現在でも、英国では国内シェア40%を保つ人気ブランドです。
1899年にロンドンで設立された金物&キッチン用品メーカーで、イギリスの金物製造会社の大手タラ社から販売されているアルミの計量カップ、通称タラメジャーはロングセラーです。
このタラメジャーの中でも、通常デザインではなく、販売促進のキャンペーン用に作られたものなど、期間限定デザインのものはかなりレアです。
タラ社はTinの生みの親としても有名な会社です。
オンスは欧米の計量単位で1OZ=約28.4ml(英)、約30ml(米)
パイント1pint=約570ml(英)、約480~500ml(米)
量るものを限定した専用スケールは生産量も少ないのでレアです。
写真にあるのは、1968年にアメリカの郵便局で使われていたポスタルスケール。
おもりを摘まんで持ち上げ重さを量ります。
ブルーの縦型は、1970年代 アメリカの郵便局で使われていたMITE軽量ポスタルスケール。
BOOKS,CATALOGS,MDSE,PRITING,NEWSMAGSなどMITE(少量)のものをはかるのに使っていました。
比較的よく目にするのがエッグスケールです。
現在のようなMやLなどの基準がなかった時代の必需品で、これによって卵のサイズ選定をしていました。
またトレーが以上に大きくなっているもの、バスケットが乗っているものは赤ちゃんの体重を図るベビースケールです。
スージークーパー(SUSIE COOPER)
1930年代イギリスで大活躍した女性陶磁器デザイナーです。
彼女は1902年にスタッフォードシャーで生まれました。
この一帯はストーク・オン・トレントもあり陶磁器の産地で名高いところです。
16歳の時地元のバーズレム。アートスクールに入学。ウエッジウッドが1759年に開窯した場所でもありました。
アートスクールの恩師の勧めで、20歳の時スージーは地元のグレイ社に就職。
グレイ社は、磁器の装飾をしていた会社で、スージーはぺインターの一人として入社したのですが、才能を発揮しデザイナーとして抜擢されました。
彼女がデザインしたものは陶器の一部には、バックスタンプにスージーの頭文字が入るほど人気がありました。
スージーは27歳の時にグレイ社を辞め、翌1930年にスージークーパー・ポタリとして独立します。
独立の翌年、事業拡大の為バーズレイにあった「Crown Works」内に移転し、その傘下のWOOD&SONSと共同制作を始めます。
スージークーパーが独立後に作った、
1931年にノーズゲイ、1932年ウエディングリング、
1935年ドレスデン・スプレイ、1937年エイコーン、
1938年パトリシア・ローズ、1939年パネルスプレイなど今も人気の高いデザインはこの時代に集中しています。
1940年に、イギリス女性として初めてロイヤルデザイナーになっています。
1950年には、ボーンチャイナの会社を買収し、陶器から徐々に生産の比重を移して、1964年にボーンチャイナに切り替えています。
1950年頃までは、スージークーパーの製品は、ほとんど陶器でした。
ぽってりとして、どこか温かみを感じさせる質感、ナチュラルな色合いが陶器に特徴ですが、強度はそれほどないため、磁器より厚くなっています。
1964年~1966年に、ウエッジウッドの傘下入るまでの2年間はボーンチャイナのみ作っていました。
陶器よりも硬く透明感があり、薄手に作れるので軽く、日常使いに向く特徴を持っているのがボーンチャイナです。
1966年に、スージークーパー・ポタリはウエッジウッドの傘下に入ります。
ウエッジウッドでも、スージークーパーは、「コーンポピー」「グレンミスト」など人気商品をデザインしました。
1979年に、大英帝国勲位を授与されます。
1995年に92歳で生涯を閉じました。
スージークーパーのデザインは大まかに3つにわけることができます。
まず、1922年~1929年は、グレイス窯時代。
スージーが英国陶器のぺインターをしていた時代ものです。この頃の作品は、コントラストの色彩で絵付けしたものが多く、力強い雰囲気で入手困難です。
そして、スージーが独立した1930年以降の作品は、よく目にする優しい雰囲気のもの。
この頃は手彩色ではなくプリントがほとんどだったのでデザインパターンが多いのが特徴です。
コレクターも多く、日本で人気沸騰だったため英国でも価値が見直されるようになり、手に入りにくいアイテムも増加。
そして3つ目は、第二次世界大戦後の作品です。ハンドペイントの復活、ボーンチャイナの採用が大きな特徴です。
スタッフォードシャー(Staffordshire)
イングランド中部のスタッフォードシャーは、ザ・ポタリーズと呼ばれイギリス最大の陶磁器の産地で、ウエッジウッドやミントン、ドルトンなどイギリス有数の陶磁器メーカーが、操業しています。
陶器を改良して開発されたクリームウェアーは、丈夫で軽く美しい焼き物として、牛などの骨灰を加えて純白さを増したボーンチャイナなどがあります。
スタッフォードシャーの名物の瓶形の窯は、ボトル・キルンと呼ばれ、直径10メートル、
高さ20メートルほどあり最盛期には1000基を超える窯があったそうです。
今もグラッドストーン博物館に残っています。
ストーク・オン・トレント(Stoke-on-Trent)
イギリスのスタッフォードシャーにある土地です。
ノッティンガムの隣に位置する場所で、ロンドンから電車なら2時間ほどで行くことができます。
ザ・ポッタリーズ(The potteries)という名前があるほど陶器産業の中心都市として発展してきた場所で、英国最大の陶磁器産地です。
このスタッフォードシャー北部のストーク・オン・トレント(Stoke-on-Trent)は、現在6つの地区からなるこの陶器産地(ポッタリーズ)では大小約30の窯が点在しています。
残念ながら今は、わずかな工場が稼働しているだけです。
十数年前に実施された煤煙公害防止条約(ばいえんこうがいぼうしじょうれい)によって、石炭を使用するボトル・キルン(瓶の形をした窯)が使用できなくなったためです。
現在稼働している工場は全て、ガスや電気窯を使っています。
ロイヤルドルトン、ウエッジウッド、ミントンなどは、ここから生まれています。
なぜ、この場所で陶器生産が盛んになったかというと、陶器に適した粘土質の土と石炭を産出することから盛んになった場所です。
ストーク・オン・トレント駅前には、英国陶工の父と呼ばれているジョサイア・ウエッジウッドの像があります。
ポッタリーズ(The potteries)という名前があるほど陶器産業の中心都市として発展してきた場所ということがよくわかりますね。
スリップウェア(Slipware)
ヨーロッパなど各地で見られた古い時代の陶器です。
17世紀から18世紀にかけてイギリスのスタッフォードシャーで開花しました。
赤土で形成された素地に泥漿(でいしょう)といって水と粘土を適度な濃度に混ぜたもので模様を描き、透明または半透明の釉薬を掛けて1000℃~1150℃程度で焼成した焼き物です。
装飾様式が大きく二つに分けられます。
一つはトーマストフトやラフルシンプソンらによる大きな絵皿で、お皿いっぱいに素朴な人物や動物を滑稽なタッチで描き、縁に格子模様で装飾した器です。
もう一つは、皿の全面を美しい櫛目文様(くしめもんよう)で装飾した器です。
スリップトレーラーという押し出し機で装飾する方法で、パティシエがクリームの入った絞り袋で、飾りつけるような装飾の仕方です。
センターピース(Centerpiece)
テーブルの中央に装飾品を置くことを センターピースと言います。
海外ではテーブルにお花や、ロウソクなど装飾品を置くことが多いので、ダイニングテーブルを傷つけない為に使われているのと、お部屋の雰囲気をよりエレガントにするために使われることが多いですね♪
またテーブルランナー同様に、テーブルの中央に敷くものなので、テーブルをすべて覆わず、テーブルの素材も活かせることができますね♪
センターピースとテーブルランナーは、どちらも一緒の役割なのですが、なららんでは、主に丸や楕円形のものをセンターピースとして、長方形の長めのものをテーブルランナーとして、ご紹介するようにしております♪