【は】 アンティーク雑貨事典 一覧



ハウスナンバー(Housenumber)


建物の位置を示すための番号です。
国によってハウスナンバーも形や色デザインが異なりますが、どれもかわいいですね。

今も海外では使われております。








 



ハロッズ(Harrods)


ハロッズの創業者チャールズ・ヘンリー・ハロッドは1824年、25歳の時にロンドンのサザーク地区で洋服店を創業しました。

1834年には紅茶に特別な興味を示したハロッドは、食料雑貨店を開業したのが、ハロッズの原点です。

1849年ハイド・パークに近いブロンプトン地区へ移転。

1861年には経営者はハロッズの息子チャールズ・ディグビー・ハロッズに交代し、ますます成長を遂げました。

1883年12月の初めに家事が起きましたが、クリスマスの配達を実施して苦難を乗り越えました。

また大規模な店舗に再建する好機にもなりました。
1985年にファイド兄弟によって買収され2010年ファイド家が売却し、カタール・ホールディングスがハロッズの新しい所有者になりました。

ハロッズ(Harrods)は、ロンドン中心部のナイツブリッジ地区ブロンプトン・ロードに面するイギリス最大の老舗高級百貨店です。

クマのプーさんは、ハロッズで買われ、クリストファーロビンの1歳の誕生日にプレゼントされたという設定です。





バスケット(Basket) 


植物の蔓や木の皮を細くさいて編み上げるバスケットは自然界から材料を調達でき、さらに自分たちで簡単に作れる、最も身近な収納用品でした。

アンティークバスケットには、ニスのような艶出しを表面に塗ったものと、素材のままナチュラルなタイプがあります。

素材はラタンが主流ですが、作られた国に多い植物が使われるので、柳やストロー、木の皮を編んだものなど様々です。

時代を経るにつれ、ペイントされたものや、ビニールを編みこんだカラフルなものなど登場します。

最近は、バスケットの生産地はアジアの国々がメインになっていて、欧米ではほとんど作られていないこともあります。

西洋のアンティークバスケットの人気の一つになっています。
収納に役立つバスケットがあるだけで、ぬくもりある雰囲気になります。

バスケットというと、ある程度の深さのあるものをイメージしますが、トレーの形をした平らなものがあります。

これはフランスで作られた、パンやオードブル、チーズをのせたものです。
ほとんど深さのない平らな円形や楕円形の両サイドにハンドルが2個付いた形です。





バックスタンプ、ポーセリンマーク(Porcelain mark)、裏印


バックスタンプは食器の裏に記されたマークで、裏印や、ポーセリンマークとも言います。

メーカー名だけではなく制作年代やシリーズ、デザイナー名、ぺインターや金彩師など制作に関わった職人の印、素地の種類や技法までわかるものがあります。

また同じ形でもバックスタンプの違いによって作られた時代や場所が推測できる場合もあり、多くの情報を得ることができます。

ポーセリンマークでも、書いていますのでよろしければ見てくださいね。





ハンカチ(Handkerchief)


ハンカチの起源は、紀元前3000年頃のエジプト文明の頃で、飾りのある麻製と思われる布の発掘が認められ、身分の高い人物の持ち物であったことが推測されています。

また正方形の形は、フランスのルイ16世王妃マリー・アントワネットが規格として統一させたことが始まりで、それ以前のハンカチは円形や長方形など様々。

貴族たちが刺繍や豪華な飾りで贅を競う持ち物のひとつでもあったそうです。

ヨーロッパでは中世のころから婚約のしるしとして、イニシャル入りのハンカチを送る習慣があり、女性はファーストネーム、男性はラストネームの頭文字をいれるのがスタンダードで、愛する人のイニシャルを刺繍したハンカチは愛の絆とされていたなんてロマンチックですね。

ロココ時代には、総レースの豪華なハンカチが作られ、19世紀になってもレースの人気は健在で、花嫁のベールとハンカチをお揃いにし花嫁のイニシャルを入れて用いるようになりました。

英国ヴィクトリア女王は1861年に夫アルバート公が亡くなって以来、黒のドレスと黒のジュエリーで喪に服したことから、ヨーロッパとアメリカでも黒が流行りました。 アメリカでは、南北戦争と重なって黒の縁取りハンカチが広まりました。 1950年代にはカレンダーのハンカチが流行りました。

暮らしが豊かになりアメリカでは、1950~60年代には州や都市のハンカチが頻繁に作られるようになり、ニューヨークの名所が描かれたものや、地図が描かれたものなどがあります。

1960年頃は、テーブルマナー、夢占い、星占い、美容体操など様々なアドバイスが描かれたハンカチも登場しています。

1950~60年代は、プレゼントとしてハンカチ交換されていたので、ギフトフォルダーに入ったハンカチや、Happy Birthdayと描かれたハンカチや、ハートが描かれたバレンタインハンカチも登場しています。

キッズ用のハンカチは、サイズが小さめで動物などの可愛い絵柄のものが多いです。





パターンブック(Pattern book)


図柄集の事です。

陶磁器メーカーには発表された製品の図柄パターンがパターンブックとして残されていることが多く、デザインがパターンNO.で記録されています。

カップの裏のバックスタンプにそのパターンNO.が記載されているものも多いです。





パラゴン(Paragon)


1897年に開窯したパラゴンは1926年エリザベス女王の誕生から、英王室御用達ブランドとなったそうです。

1930年には蝶や花を形取った、とっても愛らしいハンドルのアールヌーヴォー風の作品や、カップの内側に黒地に大胆な花柄のエレガントなもの、すっきりしたシェイプのアールデコスタイルなど、様々な作品はどれも魅力的でステキなものばかり♪

今も愛され続けている理由がわかりますね。





ビアボトル(Beer bottle) 


19世紀後半から陶製のボトルが使われるようになりました。
イギリスでは、ビールの事をエールと言います。
ショウガ入りのジンジャービアー(ジンジャエール)がジャーなアルコールなんです。
  当時はこのボトルに入れられていました。 
メーカーによってボトルも様々で無地に近いボトルから、ロゴ入りまで様々なタイプがあります。

ぽってりとしたボトルは、とてもかわいいですね。





ピューター(pewter)


ピューター工芸は、イギリスから始まっています。

イングランドは、当時世界最大のスズ・銅・鉛の鉱山があり、そこから産出されたスズを使ってピューター製品を作っていました。

ピューターは、90%以上のスズと銅、鉛などを混ぜて作られた合金です。

1348年にはロンドンが世界最大のピューター製品生産地になります。

イギリスでは、ピューター製品に関する品質基準が定められて厳格な管理が行われました。

その結果、英国製ピューター製品に対する高い評価が認められるようになりました。

イギリス産業革命の18世紀に、ピューター製品に含まれていた鉛をやめて、アンチモンを加えるよう開発されました。

アンチモンを入れることで、今までのピューターよりも美しい光沢と、より強度のある安全な合金に生まれ変わりました。

アンチモンを入れたピューターは「ブリタニアメタル(Britannia Metal)」や「チューダーピューター(Tudor pewter)」と呼ばれています。

30%の鉛が含まれているピューターを「ローマンピューター(Roman pewter)」と呼ばれています。



ビング&グレンダール(Bing & Grondahl)


Bing & Grondahl(ビング・オー・グレンダール)は、1853年に設立されたB&Gの愛称で呼ばれるデンマークのメーカーになります。

ビングオーグレンダールのイヤープレート(クリスマスプレート)は1895年に初めて発表され、世界最古の歴史を持つプレートでも有名です。

数々の名作を生み出し世界中の陶磁器愛好家たちに愛されています。

三つの塔を表すビング&グレンダール社のマークは、コペンハーゲン市の紋章に由来しています。

1987年に Royal Copenhagen ロイヤル・コペンハーゲン社と合併いたしました。


 

ファイアンス焼き(錫白釉陶器)


陶土の前面を白い釉薬(錫釉)で覆った白色陶器。表面が白くなるので絵付けに適しています。

非常に古くからある技法でマヨルカ焼、デルフト焼きが有名です。

陶器の温かみを持つ白地のファイアンス焼きは時代を越えて愛されています。





フェントン(Fenton) 


1905年、アメリカ・オハイオ州でフランク・L・フェントンと、ジョン・W・フェントン兄弟により設立されたFenton Art Glass Company(フェントン・アート・ガラス)です。

ハンドメイドによる伝統的手法で作られるアートガラスを作り続けた、アメリカ有数のガラスメーカーです。

2011年に終了しましたが、今なお人気がございます。
フェントン社が作るホブネイルシリーズ。

ガラスの表面に丸い突起の水玉模様がホブネイルガラスです。
靴を作る時に使われている、頭の大きな鋲釘に似ているのでホブネイルと、呼ばれています。

この可愛いドット模様に光が反射して、色んな表情を見せてくれる、素敵なガラスです。

フェントンガラスは、熟練したガラス職人さんが、ひとつひとつ手作りされた、ぬくもりのあるガラスです。

ガラスの厚みやお色、光の透け感など個性的でとっても素敵なアートガラスですね。

お写真の花瓶も、上部縁にいくほどミルキーブルーになっており、その部分がオパールセントなんです。

オパールのようにに虹色に輝くのが特徴です。





プチポワン(Petit Point)


プチポアンとはフランス語で小さなステッチの意味です。
一針一針丁寧に刺された刺繍のことですが、その歴史はとても古く18世紀にまで時をさかのぼり、当時は上流階級でのステイタスとも言われていたそうですよ。

プチポアンはロココ時代、オーストリアのハプスブルグ家の力が強かった時代に、宮廷の女官によって作られ、あのマリー・アントワネットもプチポアンをこよなく愛した一人です。

フランスに嫁いだマリー・アントワネットがフランスへプチポアンもたらし、ヨーロッパのあちこちに広まったそうです。

色とりどりの刺繍糸で刺繍されていたり、金の布地に合わせたり、凝った作りものが多く華やかで綺麗ですね。





フラワーベース(Flower Vase)


フラワーベース(花瓶)は実用的に使うものから、アールヌーボー、アールデコ時代のガラス器の名作の美術品の品まで、幅広いアイテムになります。

装飾の精密さに差はあるものの、どれも花なしで飾っても十分鑑賞できる美しさを持っています。

19世紀に入って、ヨーロッパではテーブルセッティングが完成されてから、1~2本の花を挿す小さな花瓶をたくさん作られるようになりました。

それは、食事の際に、食器のプレートやグラスと同じように、小さな花器をセットして、花を生ける素敵なセッティングが行われていました。

このパーソナル用花瓶なら、サイズも小さくデコラティブされていないので実用的に使えますね。

ガレやドームのような装飾性の強い花器は、花を飾るよりも鑑賞目的で作られているものが多いです





ブリキ缶(Tin Can)


17世紀の終わり頃から、お菓子などの容器として作られ始めたブリキ缶は、色もデザインも可愛いものが多いですね。

コレクターのファンも多いですよね♪
イギリスでは、アンティークジャンルの一つで専門誌もでています。
ビスケットや、ケーキ、トフィー(英国でメジャーなお菓子)缶、キャンディー缶、スパイス缶など食品のものから、伴倉庫や自転車のパンクセット、レコード針を収納したニードル缶まで、色んな種類の缶があります。

ブリキ缶は、形や絵柄の種類がたくさんあるのも魅力の一つですね。
中にはイギリスのロイヤルファミリーを描いたもの、クリスマスなど期間限定のものもあります。

生産が始まった1890年頃からオフセット印刷に変わる1950年頃までは、ほとんど人の手による点描で描かれています。

特に、1910年から1940年に作られた缶は、色合いが素晴らしいお品がみられます。
お菓子に素敵な絵柄が多いのも、ホームメイドが当たり前だったお菓子をお店で買うのは贅沢でもあり、贈答用でもあった為です。

時代を経てきた缶は、どれも味わい深く存在感があり素敵になっていますね。
私も缶は大好きで、お客さまから頂いたお手紙やお葉書などは、みんなには内緒のひ・み・つ缶♪に入れて大切にとってあるんです。

あ、でもここで発表してしまったら、ひみつ缶ではなくなってしまいますね





プレート(Plate)


西洋の食文化では食器セットが基本で、プレートもこの中に含まれます。

様々な大きさや種類があります。
絵画やアートのような華やかなプレートがあるのは、お皿が単に料理を盛り付けの為のものではなく、お客様をもてなす道具として鑑賞も目的の一つだったからです。

代表的な例が、ディナーセットに含まれる飾り皿。
料理を出す前のお客様の観賞用の皿で、時代の移り変わりとともに、座る位置を示すようにもなった為、位置皿とも呼ばれています。

元々観賞用なので、手の込んだ透かし彫りが皿の縁に施されていたり、セットでも1客ずつ違う絵柄だったり、目を楽しませてくれます。

この飾り皿プラス、スープ用、魚用、肉用、サラダ用、デザート又はフルーツ用、オードブル用、パン用でワンセット。

これらの朝食で使うサンドウィッチプレートやお茶の時間用のケーキプレートまであります。

ヨーロッパではディナーセットとティーやコーヒー用の食器とは別セットにするのが一般的です。

アメリカではそれらを含めたワンセットが多いのが特徴です。
アンティークの食器は、単品なら見つけやすいです。

肉用や魚用はメインディッシュにちょうどいい大きさです。
深さのあるスープ皿はサラダやパスタ皿にぴったりですね。





ブロカント(Brocante)


フランス語で古物、古道具の事で、アンティークほど古くないものを言います。

語源は「美しいガラクタ」からきています。

中古、ガラクタ、ジャンクなどの意味もありますが、古いものの総称になります。





ホウロウ(Enamelware)


ツタンカーメン王の黄金マスク(紀元前1300年頃)も、現在のものとは異なり金や銀の貴金属にエナメル質のガラスを加工したもので、実はほうろうの初期のものなんだそう。

歴史が長いですね。

ホウロウは長い間装飾として使われていましたが、18世紀にイギリスで鉄のさび止めとして実用品に応用されたことから、現代のような鉄やアルミの金属下地にガラス質の釉薬を高温で焼き付ける鉄のホウロウが主流になりました。

家庭用品の多くが鉄製品だった時代に、水に強く衛生的なホウロウ製品は重宝され、キッチンをはじめ水回りの道具が多く作られました。
ホウロウせいひんは幾多の改良を重ねた歴史から時代による違いが見られます。

まず、下地の素材の違いですが、19世紀後半以前のものは、ほとんど厚みのある鋳鉄です。

鉄を薄く延ばすプレス技術が開発された19世紀後半以降は、鋳鉄より軽く扱いやすい薄い鉄板が主流になりました。

ホウロウ加工の回数も、1度塗りから2回3回と丁寧に塗られ重ねられたものまで様々です。

回数が多いほど、陶器のような艶を持ち耐久性に優れています。
熱に強く錆びないホウロウ製品。耐久性があり、保温性も高いので人気がございますね。

私もホウロウは大好きで、水切りやポットを愛用しています。

保存容器や調理道具、掃除道具などあらゆるホウロウ製品が生まれました。
ホウロウは貴族や一部の階級の人たちが親しんだものと違い、ホウロウ製品のほとんどが一般市民の生活用品でした。

液体を入れるジャグがホウロウで作られたのも1870年頃でアメリカが最初だといわれています。

イギリスでは1890年頃から生産が始まり、ウォータージャグ、ミルクジャグ等多く作られました。 

フランスやドイツでは、水回りの掃除用の洗剤ラック。
サボンラックと言われる研磨用の砂、苛性ソーダー、石鹸の3つが収納できる壁掛け式のラックセットで、陶器のジャーに洗剤を入れて収納するのが普通だったイギリスでは、生産も輸入もされなかった道具です。 

貴族や一部の階級の人たちが親しんだものと違い、ホウロウ製品の多くは一般市民のもでした。 

だから、珍しいものや、数が少ない品は事象があり多く作れなかったものになります。 

イギリス製のコーヒーポットがいい例。紅茶主流のイギリスでは、ホウロウのコーヒーポットは普及しませんでした。 

また、大型のフラワー缶で持ち手のないものや、注ぎ口が非常に高い位置にあり、蓋もなく、注ぎにくい形のジャグなど、使いにくかった為普及せず、生産数も少なかったレアものです。 

また何色も色を混ぜたようなホウロウは、1日の終わりに余ったホウロウを使い切る為に作られたもの。 

マーブル模様は独特の色使いが面白く、超レアなアイテムです。





ポーセリン(Pot)


ポーセリンは磁器の事です。主原料はカオリン(磁土)と陶石を砕いた石粉を主体にした磁土を成形し、1000℃~1400℃の高温で焼いたものです。

吸水性がなく、素地が純白で透明感があります。

硬くて緻密で、たたくとチーンと高い金属的な音がします。

ドイツのマイセン磁器やデンマークのロイヤルコペンハーゲンが有名ですね。


ポット(Pot)


紅茶やコーヒーがまだまだ高級品で上流階級の人たちの飲み物だった時代は、高価な陶器や銀品のポットが主流でした。

一般家庭に普及し始めたのは1920年頃からは、ポットも次第に手に入りやすい製品が増えてきました。

紅茶の国イギリスではコーヒーポットはほとんど作られず、ティーポットが主流です。それに伴いティーストレーナーなどの小物もホウロウ製品が作られています。

コーヒーポットはカフェの国フランス、そしてアメリカ製が多く、上段がフィルターになった2層構造のポットもございます。 

パーコレーダーは、伝統的なコーヒーの抽出器です。
蒸気圧で熱湯がポット内を循環し、フィルターからコーヒーが抽出される仕組みです。

18~19世紀にかけてヨーロッパではシノワズリ(中国趣味の美術様式で中国をイメージしたもの)が流行し、オリエンタルなウィローパターンの図柄が陶器などに描かれて、上流階級を中心に富の象徴として人気を集めました。

そんなウィローパターンを一般市民の手に届けたのが、ホウロウのウィローパターン製品です。
ポットの注ぎ口や持ち手の部分にまで絵柄が施されたものはレアです。


ホーリックス(Horlicks)


1873年にイギリスで赤ちゃん用の為に販売していた、ホーリックス(麦芽ドリンク)を作るミキサーです。

お写真にはないのですが、本来は棒がついています。
麦芽飲料のホーリックスの粉末を、中にある金属製の拡散棒を上下させて撹拌して、混ぜるミキサーになります。

注ぎ口があったり、レッドの英字ロゴがとってもかわいいですね♪
今でもイギリスの方に人気で、1杯分用の小袋などでも売られていて、夜寝る前に飲むのだそう。





ボタン


ボタンという呼び名は、ポルトガル語 botaoからきています。
英語ではバトンButton、フランス語ではブトンboutonと言います。

ボタンもいろんな種類があり、植物の実から作ったベジタブルアイボリーや、ガラスボタン、ルーサイトボタンにテンダーボタンなどなど。
色や形も様々で四つ穴や二つ穴以外にも五つ穴のものもあったり、1860年ごろアメリカでは女性のあいだでボタン集めが流行り、一つずつ違うボタンを紐のようにつないで、999個集めることができたら、その女性は最後の一つとともに未来の夫に出会うでしょう。と言い伝えられたそうです。

charm stringsと呼ばれたひもは、100年を経た今もほほえましい逸話とともにアメリカの家庭に残されています。


ボビンレース用の糸巻き(Bobbin spool)


本場ベルギーで有名なボビンレース♪
糸をこの木製ボビンに巻いて、織り台の上に固定した型紙の上に、ピンで固定して作っていきます。

幾つものボビンを、右へ左へ移動させて平織り、綾織り、重ね綾織りの3種類で、様々な模様を織り上げてゆくレースです。

高度な技術を必要とするレースで、作成にも膨大な時間を使うレースです。
熟練の方の手さばきは、とっても早くて圧巻いたします。
今もなお、親から子へと代々受け継がれているのもステキですね。





ボブリル(BOVRIL)


ボブリルは水飴状のペーストのビーフストックです。

お湯に溶かしてスープにしたり、マーマイトのようにトーストやクラッカーの上に塗って食べます。

今でも、どこのスーパーにも売っている定番商品です。
イギリス及びアイルランドで製造・販売されています。

スコットランド生まれのJohn LawsonJ ohnston(ジョン・ローソン・ジョンストン)は、1863年に、彼が液体の牛肉スープのレシピを思いつきました。

『ジョンストンの流体ビーフ』です。
1870年~1871年まで続いた普仏戦争の時に、ナポレオン3世が自国の兵士の為に、牛肉加工品を注文したことが始まりです。

John LawsonJ ohnston(ジョン・ローソン・ジョンストン)がフランス政府に3年間で100万缶牛肉を供給する契約をしました。

1875年、ジョンは液体の牛肉に更に取り組み、消費者向け製品として出荷するようになりました。

1884年にロンドンのパブや食料品店で販売されました。
1886年にロンドンの工場を開きボブリルと今の名前に改め1888年にブラウンのガラス瓶に入れて紹介されます。

大きさは、0.5オンス、1オンス、2オンス~8オンスまであります。


ポーセリンマーク(Porcelain mark)、バックスタンプ、裏印


陶磁器の品質を見るポイントとして、ポーセリンマークがあります。 

バックスタンプとも言います。

お皿やカップの裏に窯印を入れて、製品を保障したもので19世紀中頃にイギリスではじまりました。

製造メーカーや、年代、品質を確認する際の目安になり、陶磁器の中でもブランド品にはたいていこのマークが付けられています。

同じメーカーでも時代やブランドによってマークの種類も違っています。

ただ、19世紀以前のものや、例外的にマークのないものもございます。

バックナンバーでも、書いていますのでよろしければ見てくださいね。


ボーンチャイナ(BONECHINA)


磁器を作るのに欠かせない「カオリン」という原料磁土がイギリスでは産出できない為イギリスでは長く真正磁器を作ることができませんでした。

そこで開発されたのが、ボーンチャイナです。

ボーンチャイナは18世紀半ばに、1749年にロンドンに設立されたボウ窯が、動物の骨灰を利用して作ることに成功し、優しい風合いのボーンチャイナが開発されました。

そして、1770年陶芸家のジョサイヤ・スポード氏が創業したイギリスの陶磁器メーカー『スポード(SPODE)』が、まだ未完成だったボーンチャイナの質を向上させ完成させました。

ボーンチャイナは、動物の骨灰を使った新しい磁器です。焼結前は灰色をしていますが、焼結することで乳白色へと変わります。

牛などの骨灰を加えることで、純白さが増します。

また陶器よりも硬く透明感があり、薄手に作れるので軽く、日常使いに向く特徴を持っているのがボーンチャイナです。

ボーンチャイナは軟質磁器になります。軟質磁器は1200度前後の低温で焼成でき透光性に優れています。


ポンパドールピンク(Pompadour Pink)


フランス国王ルイ15世の愛妾(あいしょう)のポンパドール夫人が、フランス・ロココ様式を代表する優美な磁器を制作させました。

そして夫人好みのポンパドールピンクは、1757年頃に焼成に成功したといわれています。

ポンパドールピンクはややくすんだ独特のピンク色で、夫人がこよなく愛したこのピンク色をポンパドールピンクと呼ぶようになりました。

様々な夫人好みのピンク色の優美なツボやディナーセットの磁器を制作させました。セブール王立磁器製作所で焼成された名器です。