リネンのヒミツ

 

リネンは麻の一種で、日本ではごつごつした麻のイメージが強いですよね。

私も、運動会で麻袋に入ってぴょんぴょん♪走るレースで、ごわごわ、ちくちくした麻のイメージを持っていました。

それはリネン以外の麻なんですね。

麻には20種類ほど種類があって、ふつうは、植物体からスライバーまでをフラックス(Flax)と呼んで、糸や製品をリネン(Linen)と呼んでいます。

リネン100%のものは、滑らかで肌の上で滑るようなやわらかな感触です。
使い込むほどに柔らかくしなやかになるんです。

また耐久性もあるので丈夫で長持ちします!
繰り返し使い続けることで 味が出て、使い込むほどに柔らかく、しなやかになるリネンの風合いが魅力です。

私も綿のクロスと、リネンのクロスどちらも使っています。
どちらも、愛着があり大好きなんですが、リネンクロスの方が、丈夫で長持ちしています。




リネンの歴史

 

歴史的にもリネンは人類最古の繊維といわれ、紀元前8千年前に世界文明が発祥した、チグリス・ユーフラテス川で芽生えました。

古代エジプト人は原種を背の高い長く繊維の取れるものに改良し、リネンを“月光で織られた生地”と称え、神事や衣服にも使用していました。
(ロマンチックな名前ですね♪)

ミイラを包んでいた布も実はリネンなんですよ。
古代エジプトで芽生えたリネンは、時を経て中世ヨーロッパで珍重されてきました。

最初は王族や貴族など限られた人たちだけに、技術進歩によって生み出された純白のリネンが使われていたそうです。

その後一般へも広がり、普段の生活に取り入れられるようになりました。
近代まで、ヨーロッパの農村では家ごとにフラックスの畑を持ち、リネンを手作りしてきました。

古代エジプトで芽生えたリネンは、時を経て中世ヨーロッパで珍重されてきました。

最初は王族や貴族など限られた人たちだけに、技術進歩によって生み出された純白のリネンが使われていたそうです。

その後一般へも広がり、普段の生活に取り入れられるようになりました。




イニシャル入りリネン

 

イニシャルを刺繍したリネンをお嫁入りに持っていく慣わしは、貴族から一般へ広まったものだそうです。

女性はファーストネーム、男性はラストネームの頭文字をいれるのがスタンダードです。

特に、ヨーロッパでは中世のころから、婚約のしるしとしてイニシャル入りのハンカチを送る習慣がありました。

愛する人のイニシャルを刺繍したハンカチは、愛の絆とされているんですよ。
なんてロマンチックなんでしょう。いいですね~。

1960年頃には、このような習慣も、少なくなったそうですが、また再びイニシャル刺繍するのが、流行っているとお聞きいたしました。

こんなロマンチックな習慣が続いていくのはステキなことですね。




アイリッシュリネンの誕生

 

16世紀ヨーロッパで起きた宗教改革時代にフランダース地方などから、新教徒に追われた旧教徒の優秀なリネン技術者が、大量にアイルランドに移民しました。

彼らは、原料の栽培から開発まで、アイルランドのリネン産業に大きく貢献しました。

イギリスの産業革命によって、機械による高品質のリネン大量生産にも、成功しました。

アイルランドで上質なリネンが大量生産されるようになり、その優れた品質が認められ、最上級リネンが確立しました。








アイリッシュリネンの魅力

 

アイルランドリネンは、繊維がとても細く、しなやかで肌触りも優しく、柔らかい質感です。

アイルランドでは、模様を浮き出たせた上品で美しいダマスク織(ジャガード織)透き通るような薄さの平織りなど、高品質なものを作り出しています。

一度は使ってみたいな~と思わせる、アイリッシュリネンは魅力たっぷりです。








リネンは素早く水を吸収

 

天然繊維の中で最も強い繊維のリネン!

繊維の中心が空洞になっており、コットンの4倍、シルクの10倍水分を素早く吸収します。

また表面に続く通気口が、吸い取った水分を発散するため、速乾性にも優れています。




リネンの強度

 

とても丈夫なリネンは水に濡れるとさらに60%の強度を増し、コットンの2倍の耐久性があります!
リネンにはペクチンが含まれており、汚れが繊維内へ入りにくい構造をしているので、表面についた汚れも比較的、落ちやすい特性をもっています。

またリネンはよじれの無い繊維なので毛羽が少なく、静電気やアレルギーを、起こしません。

また、防かび性に優れ雑菌の繁殖を制御するためニオイも抑えてくれます。
いいこと尽くしのリネンは、使うほどリネンの魅力の虜になります。




繊維の中では最も涼しく暖かかい素材

 

通気性もコットンやシルクに比べ4倍あり、繊維の中では最も涼しい素材と言われています。

熱伝導率が高いので、湿度の高い部分から低い部分への熱移動を要因する特性があり、体温を外へ放熱させ涼しく感じられます。

また中に空気が含まれており、天然のサーモスタットの役目を果たしており、寒い季節には、あたたかく包み込んでくれます。




大切に作られた世界でたった一つだけのホームスパンリネン

 

近代まで、ヨーロッパの農村では家ごとにフラックスの畑を持ち、 リネンを手作りしてきました。

アンティークのホームスパンリネンは機織り機で各家庭で織られています。
昔の機織り機は1mほどしか織れなかった為、大きなものを作る時は、布と布をつなぎ合わせていました。

生地の上に現れるスラブ(糸が少し太くなったもの)や、ネップ(小さな玉)も一般的なもので、魅力の一つです。

また生成りのリネンは産地やとれた時期などによっても様々な色や、質感をしているんですよ。

使うほど味わい深く、柔らかくしなやかに肌になじんでくれるリネンは、一年中大活躍してくれますね。

シワになりやすい性質ですが、霧吹きでサッと水をかけると、シワも伸び自然乾燥ですぐ乾きます。

好みもありますが、リネン独特のシワも自然な表情として楽しみたいですね。
私は洗いざらしのくしゃとした素朴さが好きです。
(単にアイロンがけがめんどくさいだけ?!)

大切に作られた世界でたった一つだけの素朴なホームスパンリネンの手触りを楽しんでほしいです。




アンティークリネン普段のお洗濯


通常お洗濯はネットに入れて、蛍光剤や漂白剤の含まない弱アルカリ~中性洗剤、又は石鹸をお使いいただき、洗濯機で洗っていただいて大丈夫です。

基本的にリネンは蛍光剤、漂白剤の入った洗剤は、生地が硬くなったり、青っぽくなったりする場合があります。

リネンはコットンに比べ汚れも落ちやすいので洗濯時間も短めでも大丈夫です。

いちばん汚れが落ちやすいのは,40℃~60℃以下のぬるま湯になります。
リネンにはペクチンが含まれているので80℃以上はお控えくださいね。

目安は手を入れてちょと熱いなと思う程度のお湯の温度になります。

私自身が使っているアンティークリネンのワンピースは、お風呂の残り湯を使い(ちょうどいい温度&エコも兼ねて(笑))ミヨシの洗濯石鹸をモコモコっと泡が立つまで洗濯機を回して、洗濯ネットにアンティークリネンワンピース入れて洗っています。
その後、風通しの良い日陰で自然乾燥しています。

乾燥機はリネンの繊維を痛めるのでお控えくださいね。


経年汚れのあるアンティークリネンのお洗濯

 

お写真のような経年の汚れや、糊やアクのついているアンティークリネンは別洗いをおススメします。

洗い方は、普段のお洗濯と同じです。
いちばん汚れが落ちやすいのは、ぬるま湯ですがもちろん水でも大丈夫です。

ビックリするほど汚れが出てお湯の色が、おいしそうな濃いめの紅茶色に変身です! (体験済み)
一回のお洗濯で落ちなかった汚れも、何回かお洗濯を繰り返していくうちに落ちていきますよ。

リネンは何十回とお洗濯をするごとに、だんだんと柔らかくしなやかに、色合いも光沢のあるパールホワイトに変化していきます。

変化を楽しめるのもリネンの魅力ですよね。ぜひ、リネンの風合いを楽しんでみてくださいね。

すすぎの時、ホワイトビネガーを入れると殺菌作用もあり、仕上がりがやわらかくなると、ドイツ人マダムにお聞きしました。

繊細な刺繍やレース、カギ編みが施してあるものは、糸切れなど起こる場合もございますので、やさしく押し洗いして、その後は石鹸が残らないようやさしくすすぎ洗いをして、陰干ししてくださいね。

汚れが気になるようでしたら、洗濯石鹸を入れたぬるま湯(お風呂に入る温度)に数時間浸け置きするだけでも、汚れが取れやすくなるかと思います。




未使用品のアンティークリネンを最初に使う時は?

 

初めて使う未使用品は大抵、糊やアクがついておりますのでぬるま湯に半日、水通し(浸け置きで)します。 浸け置きすると、繊維が柔らかくなり汚れが落ちやすくなります。

これだけで糊やアク、経年の保管上の汚れが大体落ちていきます。

未使用リネンは3%~7%の縮みがございます。








シミがついたら?

 

大切なリネンにシミが付いても、シミが乾かないうちにすぐぬるま湯と石鹸で処置すれば、ほとんどの汚れは落ちます。

もし、とれない場合はシミに石鹸をこすりつけ、石鹸水を溶かしたモコモコの泡が立った40℃~60℃以下のぬるま湯に浸け置きして下さい。

ほとんどの汚れは綺麗に落ちてくれるはずです。

一回のお洗濯で落ちない汚れも、何回かお洗濯を繰り返していくうちに落ちていきますよ。






干し方

 

速乾性のあるリネンは、風通しの良い日陰で乾かします。
冬場も普通のタオルより乾くのが早くて、とても助かってます。

大きなシーツも数時間で乾くので、多少曇りの日でも思い切って、お洗濯ができますね。

さすが、リネンの特徴でもある速乾性!

干す時に手でシワを伸ばしたり、パンパンと叩いてぴんと広げておけば、アイロンがけも不要。

私も、リネンワンピースはパンパンと叩いてぴんと広げて陰干ししています。




アイロンがけ

 

私も光沢やハリがほしい場合は、アイロンがけをしています。

乾くとシワを伸ばすのにとても苦労するので、洗濯機から取り出した時や、半乾きの時がオススメです。

乾いてる場合は、霧吹きでさっと水分を含ませます。
普段のアイロンをかける前と同じですね。

アイロンは中温です!

リネンは80℃以上の熱に弱く、毛羽立ちの原因になります。

まず、裏側から小じわなど全体にアイロンがけして、次に表面から強く押し当てると、きれいに仕上がります。

アタリやテカリが気になる場合は、当て布をしてもOK!
スチームなどを使うと、シミになる場合もあるので注意が必要です。

お風呂上りのバスルームの中にかけて置いても、蒸気でわりとシワが伸びますよ。




アンティークレースお洗濯とお手入れ

 

長い年月を経ているアンティークレースは希少な素材を使用していたり、糸がとても細く繊細です。

なるべくなら洗わない方がよいのですが、洗う場合は、ぬるま湯に蛍光剤、漂白剤の含まれない、弱アルカリ~中性洗剤又は石鹸を溶かして、糸切れなど起こる場合もございますので、やさしく押し洗いしてください。

又は、浸け置きしてみてください。
その後は石鹸が残らないようやさしくすすぎ洗いをして、形を整え陰干ししてくださいね。

汚れが気になるようでしたら、洗濯石鹸を入れたぬるま湯(お風呂に入る温度)に数時間浸け置きするだけでも、汚れが取れやすくなるかと思います。

シミも歴史の表情として、お楽しみいただけたら幸いです。




アンティークレース保管方法

 

直射日光を避け風通しの良い所に置いてください。
通気性が悪いとカビの原因にもなります。

薄い紙に包んだり、ティッシュペーパーを間に挟むと良いです。
長期保管する場合はアイロンや糊付けは、お避けください。

折じわが強く付いたり、虫食いの原因となります。
できれば年に1度、広げて折り目を変えてください。

少し面倒かもしれませんが、手間を掛けるだけで綺麗なまま長持ちさせることができます。