アンティークレース
16世紀にヨーロッパで、リネンで作るレースが生まれました。
王侯貴族の富と権勢を示すために宝石よりもレースが用いられたり、とても高価なものでした。
昔は、暗いロウソクの明かりの下でレースを作っていたので目を酷使し、とても大変な作業でした。
レースは主に3つに分類すると、組み紐技法を基盤にしたボビン(糸巻)レース。
刺繍技法が元となっているニードル(針)ポイント・レース。
カギ編みを使う、クロッシェレースがございます。
糸の太さや、技法が違うだけで、随分とレースの雰囲気に違いがあらわれるのがレースの魅力ですね。
それぞれの国や地域ごとに、編み方や織り方など、作り方もいくつもあるので奥が深いですね。
また、アンティークレースは手仕事のレースと、マシーンレースがございます。
手仕事のレースは作る時間も掛りますが、マシーンにはない温かみや味わいがございますね。
マシーンレースは、ネット状のレースに柄を編みこんでいくものが多いので編み目が均一で美しい仕上がりですね。
マシーン編みは、19世紀にイギリスで考案されましたので、少なくとも19世紀以降のものと判断できますね。
どのレースも、それぞれ違った魅力があり、とても奥が深いですね♪
イニシャルテープ
フランスでは子供が寄宿舎に入る時に、自分の目印としてイニシャルテープをつけていました。
クリーニング店でも目印用として、使われていたそうです。
私も、子供が幼稚園へ入る時に、自分の物と分かるようにかばんやタオルなどに名前を付けていました。
少しずつ使うイニシャルテープは未使用の物はほとんどなく、少し使われているものが大半なんです。
自分のイニシャルが見つかることも少ないのですね。
だからこそ、自分のイニシャルが見つかれば喜びも嬉しさもひとしおですね。
私も、まだ自分のイニシャルに遭遇したことがないので探す楽しみがあります♪
エンブロイダリーレース
エンブロイダリーレースとは、英語で刺繍という意味です。
スイス人の方が発明したエンブロイダリーレース機によって刺繍加工を施したもので、
刺繍レースとも呼ばれています。
スイスの都市チューリッヒから電車で1時間ほどの町サン・ガレン(St. Gallen)市が産地になります。
薄地やチュールに、光沢の優れた糸などを刺繍し、透かし模様をつくる優雅なレースです。
カットワーク
1540年代にヴェネツィアの刺繍師たちにより発明されたレースです。
カットワーク(レティセラもカットワークの一種)は、生地をはさみで切り抜き、細かい刺繍を施す方法で刺繍レースのことです。
模様の縁をボタンホールステッチやブランケットステッチで、かがり縫いしその模様を残して切り取りレース状に仕上げ、大きな空間に糸を渡してつないでいます。
土台となる布は、織り目が詰まっていてほつれにくいリネン(麻)や、オーガンジー、木綿、絹などの薄手の布が使われています。
白糸刺繍1種類で、格調高く上品で気品あふれ、16世紀には中世のヨーロッパでニードルポイントレースの基となり、現代のレースの原型となりました。
高貴な人々の身を飾った最初のレースであり、ヘンリー8世の6番目の妃キャサリン・パーの1545年の肖像画に描かれています。
クルーニーレース
ノッティンガムシャー(イングランド中北部の州)クルーニーレース社のレースで、イギリス最古のマシンレースメーカー、リバーレースマシーンで織られています。
クルーニーレースはぷっくりとしたドット模様のポイントを作るために、レースを織るスピードはダウンさせています。
リバーレースマシンは100歳前後ビクトリア時代のもので、ロストモーションスポットというふっくらしたドット部分だけ浮き上がるように織っております。
その仕事のあいだ他の部分の織りは休んでいますので、生産効率をダウンさせながらチャームポイントであるロストモーションスポットを懸命に織るのが特徴です。
クロッシェレース
クロッシェとは、フランス語で「かぎ針」「かぎ針編み」の意味です。
かぎ針を使って編むレースで、とても温かく雰囲気のあるレースです。
毛糸編みとレース編みの違いは使用する糸の太さです。
16世紀にはヨーロッパの各地に広まり、いまでも家庭の手芸として親しまれています。
中でも19世紀にアイルランドで発展した、アイリッシュクロッシェレース(アイリッシュレース)は特に有名で、レリーフ(浮き出た)状に複雑なモチーフが編み込まれています。
ケミカルレース
1883年にドイツ人に開発されたケミカルレース。
絹などの地布に綿糸や毛糸の刺繍をして、薬品で地布を溶かして作ったことから、ケミカル(化学的)と名前がつきました。
基布が見えず刺繍糸だけで模様が構成されているのが特徴です。
コードレース
コード刺繍は、中世ヨーロッパで上流貴族のドレスの袖や襟にコードを使い華やかな刺繍を施したことが誕生のきっかけと言われています。
コードやリボンなどを布地に刺繍で縫い付ける加工です。
表布の上にコードを置き、別糸で刺し止める立体感のある刺繍です。
立体感のある華やかな刺繍です。
コードの色や本数・組み合わせを変えることにより、デザインの幅が無限大に広がる素敵な装飾刺繍になります。
タスカニレース
タスカニーレースはイタリアのトスカーナ地方のレースで、漁師の奥様たちの間で作られ生まれたといわれており、フィレレースと似ています。
素朴な味わいのナチュラルな雰囲気のレースで、フィレレースより太い糸で、大きい目で編まれています。
タスカニーレースは糸の細さや、ます目の大きさによって価値も変わるそうですよ♪
今では作り手の職人さんも少なく、大きなものはあまり見かけられなくなってきています。
タティングレース
タティングレースは、木の葉のような形をあわせたシャトルの真ん中にある小さな糸巻きに巻いた糸を使って結び目を作っていく技法で、それを組み合わせて模様を作るループ状のレースになります。
タティング、タッチングレース、シャトルレースとも呼ばれています。
一説に16世紀のイタリアで基礎的な技法ができたとされるそうで、イングランド女王メアリー2世は熱心なタティング愛好家でした。
チュールレース
フランス中央部にあるリムーザン地域のチュール市から、このチュール・レースの名はきています。
色々な模様の刺繍を施した華奢なレースで、軽やかな素材なので、よくベールなどにもよく使われています。
起源は古く16世紀の手製レースに始まりました。
ルイ16世の頃に大流行しましたが、その当時は刺繍のないレースでした。
18世紀になり機械編みの登場から、チュールレースが人気になりました。
ティーカップドイリー
ティーカップドイリーは、ソーサーに敷きカップとソーサに傷がつかないようにするためのドイリーになり、ヨーロッパではよく見かけられます。
見た目も可愛くて、ソーサーの上にカップを置くときも“コン♪”と音が鳴らないのも嬉しいですね。
テネリフレース
大西洋にあるスペイン領カナリア諸島のテネリフェ島で16世紀に生まれたレースです。
テネリフレースは形からソル(太陽)レース、ブラジリアンレース、ボリビアンレースともいわれています。
円や、四角形などに糸を放射状に渡し、その糸を土台にして隙間をかがったり埋めたりモチーフをつないで模様をつくるレースです。
主に白色で作られていることが多いです。
トーション
トーションレースは世界的に愛好され、ボビンレースといえばトーションレースのことを、指していることが多いです。
太い麻糸や木綿糸で編まれているものが多く、大きい編目になっていて、幾何学模様のパターンが多いです。
デンマークのトーションレースの特徴は北欧の特徴をもつ図柄で、特にハート型の模様が多いです。
一般的なボーダーやコーナーだけでなく、円形や四角形に作成する方法もあります。
ドロンワーク
布地の横糸や縦糸、または両方を引き抜き、残った糸を束ねたりすくったりして、透かし模様を作る抜きかがり刺繍です。
ドロンワークは4世紀後半に中央アジアのフン族からヨーロッパへと伝わったといわれています。
16世紀初頭にイタリアで技法が発達し、レティセラ(布地に刺繍した後、糸を引き抜いて数本だけ糸を残し、ボタンホールステッチで補強して幾何学的な模様を作る技法)から、16世紀イタリアが発祥とする初期のレース、プント・イン・アリア(空中ステッチ)へ発達していきました。
ニードルポイントレース
ニードルレースとは、針を用いて糸だけで作られたレースのことを言いニードルポイントレースとも言われています。
15世紀から16世紀頃に、隆盛したドロンワーク 、カットワーク 、レティセラ(カットワークの一種) も、ニードルポイント (布地に刺繍したもの) レースになり、くくりが広くなるため
厳密にはニードルレースには含まないです。
ドロンワークやカットワークから発達した、ニードルレースは針を用いて糸だけで作る繊細でとても綺麗なレースです。
布地に刺繍して作るレースも、ニードルポイントレースとよばれています。
1本の糸と縫い針だけで、糸輪を組み合わせながらかがって作っていきます。
16世紀初頭にイタリアで技法が発達し、レティセラ(布地に刺繍した後、糸を引き抜いて数本だけ糸を残し、ボタンホールステッチで補強して幾何学的な模様を作る技法)から、16世紀イタリアが発祥とする初期のレース、プント・イン・アリア(空中ステッチ)へ発達していきました。
プント・イン・アリアは、生地なしで糸だけでステッチして作成するので、最初の真実のニードルレースと言われています。
繊細で見事な職人技は息を呑む美しさですね。
バテンレース
リボン状のテープを型紙に沿って台紙につけ、テープの隙間を糸でかがるニードルレースの一種で、テープレースとも呼ばれています。
空間を糸でかがったすかし模様がステキですよね。
ドイツのバッテンベルグで盛んに作れていたので、この名がつきました。
フィレレース
フィレレースは、フランス語で網のことです。
細かい糸で、縦糸と横糸を結び合わせて、四角い網目状にしたレースの中に刺繍で模様を入れていく方法です。
プラウエンレース
ドイツの都市プラウエンは、レース産業が盛んでここで作られるレースは、プラウエンレースと呼ばれています。
多くの国際的な賞を受賞し、パリの国際展示会でグランプリを獲得したこともあります。
その繊細で美しいデザインは世界中で愛され続けています。
ヘアピンレース
U字のヘアピンのような器具で作るヘアピンレースは、編み器に糸を巻きながら、かぎ針やレース針で止めていく技法です。
長編みのような、編み目がふんわりとしていてステキですね♪
透かし模様の素敵なレースです。なららんでも、ヘアピンレースのドイリーがございます。
ホ二トンレース
ホニトンレースとはデボンシャーのホニトンという町で、レースの取引が行われていたことから、その名前がつけられたレースです。
一般的なイギリスのレースとは異なりモチーフを一つずつ織りそれをつなげて大きなものを作ります。
ボビンレース
糸をボビンと呼ばれる糸巻きに巻いて、織り台の上に固定した型紙の上に、ピンで固定して作っていきます。
平織り、綾織り、重ね綾織りの3種類で、様々な模様を織り上げてゆくレースです。
職人さんの熟練に時間がかかるうえ、作成に膨大な時間を使う高度な技術を必要とするレースで、アンティークレースやヨーロッパ各地の一部愛好家により、アンティークレースと同等の技術で作成される、非常に高価なレースは、「糸の宝石」とも呼ばれてます。
マクラメレース
アラビア語で、ふさ・組紐を意味のマクラメは糸を指先で結び合わせて作る編みの一種です。
18世紀産業革命でレースの機械化が進む中、ルーマニアマクラメは、ヨーロッパの他国で流行していたさまざまな手法を取り入れ、世代から世代へ伝えられていきました。
応用や素材、色彩などによって平面のもの、立体のものがあり、ルーマニアを含めバルカンや東欧で見られる珍しい手編みのレースです。
ラッセルレース
編レースの一つで、ラッセルレース編機という、経編機で作られたレースのことです。
編みながら柄を出していて薄く平らに仕上がるのが特徴で、ウエディングドレスの素材としてもよく用いられています。
リバーレース
16世紀のヨーロッパから始まったリバーレースの歴史は、ヨーロッパのレース作りの歴史そのものです。
古くは組みひもや網をルーツとするレースで装飾品として生まれています。
王侯貴族の富と権力の象徴であった手工芸の時代を経て、1813年に英国のジョン・リーバースが発明したボビン・レース用の機械で、製造したレースをルーツとすることから、この名前が付きました。
細い糸をさまざまな模様に撚り合わせて作るリバーレースは特別な機械を使い、熟練した職人の手によって作られている手工業に近いレースです。
優美で繊細、上品なレースです。
現在は主にフランスのカレーで作られています。
保管方法
直射日光を避けて、風通しの良い所に置いてください。
通気性が悪いとカビの原因にもなります。
薄い紙に包んだり、ティッシュペーパーを間に挟むと良いですよ。
長期保管する場合はアイロンや糊付けは、お避けください。
折じわが強く付いたり、虫食いの原因となります。
できれば年に1度、広げて折り目を変えてくださいね。
少し面倒かもしれませんが、手間を掛けるだけで綺麗なまま長持ちさせることができます。