〈は行〉 ジュエリー用語/技法集 一覧



フィリグリー細工(Filigree)


銀を細い糸のように伸ばして、2本銀線をねじって1本の細い線にします。

そしてジュエリーの型枠に模様を作りながらはめ込んだり、形を作ってからはめ込んだりする、
とても繊細な細工です。

フィリグリー細工は、ハンドメイドで様々な形に作り上げなければならず、熟練の技が必要な伝統技法のひとつです。

銀よりも硬い金を使う金線細工もあります。

仕上がりはまるでレースのような繊細なデザインです。

日本では「銀線細工」「平戸細工」「金銀細工」とも言います。




フェイクパール(Fake Pearl)


フェイクパールはガラスやプラスチックの核に魚のうろこ(エッセンス・ド・オリエント)
から採取する箔の粉末をペーストに溶かしてガラスなどに塗り重ねて作られています。

そのためガラス産地のボヘミアやヴェネチアでよく作られていました。

ヴィンテージのフェイクパールはガラス核が多いです。

シャネルは、ルイ・ロスレーやグリポワ工房に材料をオーダーしています。

ミリアムハスケルは、1940年代までヴェネチアで買い付けていましたが、品質の
良さを知ってから日本製のものが多くなりました。

1949年に日米関税が緩和されたのも理由の一つです。

アメリカの大統領ジョン・F・ケネディの夫人ジャックリーヌ・ケネディ・オナシス
も本物の宝石よりもコスチュームジュエリーの方が好きで、沢山のコスチュームジュエリー
をもっていました。

中でもパールが好きで、3連のフェイクパールネックレスを付けた写真が数多く残されています。




ブローチの種類


ブローチの種類は、留め金具の種類で分かれています。

『ブローチ・ピン』ピンを受ける金具の種類によって「風車式」「鉄砲式」の2種類があります。

『ピンブローチ』長いピンの先に飾りが付いたブローチで、スティックピンとも呼びます。

キャッチは、服の外へ出して留めます。

『タックピン』短いピンを刺して留めるブローチ「タイニーピン」「スタッドピン」とも言います。

『クリップ』バネで挟んで留めます。

ポケットなどに飾る記章やアンティークのアールデコスタイルのブローチに見かけます。

ブローチの種類は、留め金具の種類で分かれています。

『ブローチ・ピン』ピンを受ける金具の種類によって「風車式」「鉄砲式」の2種類があります。

『ピンブローチ』長いピンの先に飾りが付いたブローチで、スティックピンとも呼びます。

服にブローチを付けるときは、ピン先を外側に向けます。またピン先を下に向けて留めます。

もし、何かの拍子に留め具が外れた場合も、服から抜け落ちてしまうのを防ぐ意味もあります。




ブレスレット


ブレスレットには、『チェーン・タイプ』『連タイプ』『バングル・タイプ』『ヒンジタイプ』があります。

『チェーン・タイプ』貴金属チェーンのブレスレット。

『連タイプ』パールなど丸玉を連ねたブレスレット。

『バングル・タイプ』留め具のない円形のブレスレット。

『ヒンジタイプ』留め具のある円形ブレスレット。




ペア・リング(ステディ・リング)


ペア・リングはエンゲージリング(婚約指輪)と近い意味合いで付ける指輪(リング)になります。

ペア・リングはステディ・リング(Steady ring)とも言います。

エンゲージリングよりもカジュアルなデザインのものです。

大切な人とお揃いの指輪をつけます。またペア・リングの代わりに短い言葉や
メッセージが彫刻されたポージー・リングにする人も多いです。




ベークライト(Bakelite)


1920年から1960年代まで人気があった合成樹脂です。

今でも工業用で使われていますが、コスチュームジュエリー素材ではもう見られなく
なった素材です。

1909年にアメリカで発明された合成プラスティックです。

それ以降50年代までに食器やインテリア用品にも量産された素材です。

ベークライトは熱硬化性フェノール樹脂のことで、人類初の合成樹脂になります。

ベークランド博士から1909年に特許が出されました。

熱に強く軽いのでアールデコ期に量産され、60年代のアールデコ・リバイバルの時代
には、アメリカでよりキッシュなデザインのコスチュームジュエリーが作られました。

また耐熱性から食器に代表されるキッチン道具や、照明などのインテリアにも多く
使われました。

石油系プラスティックの登場でだんだん姿を見せなくなってきました。

しかし自然に近い色が出せることもあって、当時の幅広い発色には独特の特徴があり、
ヴィンテージに根強い人気があります。




ペンダント


垂れ下がるという意味をもつペンダントは、チェーンに飾りがあるネックレスの事をいいます。

「ペンダントトップ」や「ペンダントヘッド」とも呼びます。

ペンダントは、ペンダントトップを付け外すことができるので、その日の気分で付け替えできる

便利なジュエリーですね。

小さなペンダントを「プチペンダント」ともいいます。フランス語で小さいの意味です。

蓋のついたペンダントはロケットペンダントになります。

中に写真が入れられるようになっています。




ポージーリング(Posy ring)


詩や短い字句をリングの表面や内側の彫刻されたリングになります。

13世紀から18世紀のヨーロッパでとても流行ったリングです。

誕生日や記念日、大切な人へ贈ったりするリングです。




ホールマーク(Hall mark)


ホールマークは、品位証明の事です。

イギリスを中心にフランス、イタリアなど各国にはホールマークがあります。

ジュエリーや銀製品などには、刻印があります。

日本も、品位表示する方法が2つあります。

ひとつは、ジュエリー制作者が自分で打刻する方法。

もうひとつは、造幣局が打つ国家検定の刻印で1929年から始まっています。

この刻印は民間で行われている刻印と区別して極印(ごくいん)ともいい、

ホールマーク、造幣局検定マーク、政府証明マークなどと呼ばれています。

日本ジュエリー協会(JJA)では、1996年から業界独自の品位マーク制度を発足させています。

任意に打った品位に表示者が責任を持つことを目的とし、間違った品位でも製品のメーカーが
特定できるようになっています。

イギリスのホールマークについても詳しく書いています。